アーユルヴェーダは健康と幸福の源

現存する伝統医学の中では、最古と言われているアーユルヴェーダ。
サンスクリット語で「生命科学」という意味を持つこの医学は、体の不調を取り除くだけでなく、
自分自身で体と心の状態に気付き、自分で対処する為の生き方の知恵も教えてくれる。

 

日本においてアーユルヴェーダは、エステティックの一種と思われているケースがまだ多い。
しかし、アーユルヴェーダを簡単に日本語に言い換えるなら「生活全般にわたる生命の科学、健康になる為の知恵」を意味する。

 

例えば、病気にならないようにするにはどうすればいか、病気になったらどうするか。
その為の理想的な一日の過ごし方や、季節に合わせた過ごし方、食事について、さらに病気を防ぐには運動も心のリラクセーションも必要だというようなことまで網羅しています。

 

現代医学は精密な治療はしますが、日常的なことまではフォローしているとは言えません。
また、水や空気を綺麗にする公衆衛生に対して、体と心の浄化に役立つアーユルヴェーダは個人衛生とも言えるでしょう。

 

 

インドの生活に息づく知恵

 

発祥の国インドでは、生活の隅々でアーユルヴェーダの知恵が生かされている。

 

例えば、祭りの時に使うヘナは女性ホルモンを整える働きがあるし、お祝いの食べ物をつくるときに季節に合わせた材料を使う風習もアーユルヴェーダ的。
起床後にタングスクレーパーを使って舌苔を取り除いたり、頭と体にオイルを塗り込む日常的習慣は国中に根付いているアーユルヴェーダ。
食材の使い方にも多くの知恵が語り継がれており、例えば妊娠中や生理中の時に避けるべき食べ物の慣わしもある。

 

アーユルヴェーダの勉強を始めた頃、昔から言われてきた食べ合わせなどが、実はアーユルヴェーダの教えだと知り、合点することが多くありました。
そのぐらい生活に浸透しているのです。

 

インドでは病気の治療や予防、健康増進の為の治療法として、医師による浄化療法(パンチャカルマ)が行われている。
症状に合わせて、全身のオイルマッサージや発汗法などの中から適したトリートメントを行い、体内の毒素を排出して健康を取り戻す。

 

日本のアーユルヴェーダ・サロンにあるアビヤンガやシロダーラといったトリートメントは、パンチャカルマの一部。
心身を浄化して体質を改善し、若返り効果も期待できるので、欧米や日本のサロンに取り入れられるようになった。

 

 

ヨガとの補完関係

 

日本の生活でアーユルヴェーダを実践する時に、もっとも大切なのは、宇宙や自然に対して感謝する気持ちを持つこと。
それが病気を遠ざけます。
そして、「規則正しい就寝と起床時間」「食事は腹八分」「きちんと排泄」が肝心。

 

本来なら早寝早起きがアーユルヴェーダの基本だが、無理をして早く寝るより、
毎日12時に寝て7時に起きるようなリズムを優先した方が効果的。
食事も内容にこだわるより、ほどほどでやめることが大事。
排泄は食べるのと同じくらい重要なことです。
どれも当たり前のことだからこそ実践すべきなのです。

 

そして、ヨガとアーユルヴェーダの関係について。
アーユルヴェーダでは苦しみがあるから病気になると考えますが、あらゆる苦しみから解放され、真の幸福を得る為にはヨガをやりなさいと昔の文献に書かれています。

 

本来のヨガは、心身の訓練によって悟りを開くための学問です。
同じインド亜大陸で生まれたヨガとアーユルヴェーダは、1本の木から出た2本の枝のような関係で補完し合っています。

 

アーユルヴェーダを生活に取り入れて体調を整えることは、健康増進だけでなくヨガの上達にもつながると言えそうです。